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新海誠監督『君の名は。』が大ヒットした理由を徹底解説!

2016.12.10 14:38|新海誠
君の名は

■あらすじ『千年ぶりとなる彗星の接近を1ヵ月後に控えた日本。山深い田舎町で鬱屈した毎日を過ごし、都会の生活に憧れを抱く女子高生の三葉。ある日、夢の中で自分が東京の男子高校生になっていることに気づき、念願の都会生活を満喫する。一方、東京の男子高校生・瀧は、山奥の田舎町で女子高生になっていた。そんな奇妙な夢を繰り返し見るようになった2人は、やがて自分たちが入れ替わっていることに気がつく。戸惑いつつも、メモを残してやりとりしながら、少しずつ事実を受け止めていく瀧と三葉。ところが、ある日突然2人の入れ替わりが起こらなくなってしまう。そこで瀧は、夢の記憶を頼りに三葉に会いに行こうと決心するものの、そこには衝撃的な事実が待ち受けていた…。「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」の新海誠監督が、夢の中で入れ替わる少年と少女を主人公に贈る青春SFファンタジー・アニメーション!』


現在、全国で大ヒットしている新海誠監督の最新作『君の名は。』の興行収入が、ついに200億円を突破したそうだ。興収が200億円を超えた邦画作品は、2001年の『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)以来、なんと15年ぶりという快挙であり、改めて「すごい!」と言わざるを得ない。ではいったいなぜ、ここまでの大ヒットを実現できたのか?

まず最初に、新海誠監督が『君の名は。』を手掛けることになった際、日本中から錚々たるスタッフが集結した。キャラクターデザインを担当する田中将賀は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』や『心が叫びたがってるんだ』などのヒット作を手掛けた人気アニメーターである。

新海監督との接点が生まれたのは、『言の葉の庭』と劇場版『あの花』の公開が重なった時、『あの花』の長井龍雪監督と対談する機会があり(雑誌『Cut』2013年7月号)、その後に開かれた食事会に田中将賀が同席したことがきっかけだという。

『クロスロード』を一緒に作ったことで、田中氏も新海監督も「次は長編を作りたい」という気持ちが芽生えていたらしい。だが、ちょうどその頃、田中氏は『心が叫びたがってるんだ』の仕事が重なっていたため、「しっかり作品に関われないのは申し訳ないので…」と一旦は断ったそうだ。

しかし、新海監督から「どうしても田中さんのデザインでアニメを作りたいんです!」と熱望され、「そこまで仰っていただけるのであれば…」と引き受けることを決意。とはいえ、作画監督を誰にやってもらうか決まらないまま、キャラクターデザインだけ進めることに不安もあったという。

ところが、作画監督を探すうちに突然「安藤雅司」の名前が浮上したのだ。安藤雅司といえば、1990年にスタジオジブリに入社して以来、『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などの作画監督として優れた手腕を発揮し、『東京ゴッドファーザーズ』、『パプリカ』、『ももへの手紙』、『思い出のマーニー』など数多くの作品でも作監を務めたベテランアニメーターである。

それを聞いた田中将賀はビックリ仰天!なんせ、安藤雅司の実力は同業のアニメーターでさえ驚愕するほどの超絶スキルであり、しかも売れっ子だから仕事が忙しすぎて引き受けてくれないだろうと諦めていたからだ。なので最初は「えええ!?本当に?断られるんじゃないの?」と半信半疑だったらしい。

だが、あれよあれよと言う間に話が決まり、本格的に参加してもらえそうだということが分かると大喜び!「まさか安藤さんに僕のキャラクターを描いていただける日が来るとは、思ってもいませんでした。僕にとって安藤さんは、それこそ雲の上にいるような存在ですから。本当に光栄です!」と大興奮していたという。

一方、安藤雅司はどうして『君の名は。』の仕事を引き受けたのか?本人によると、「田中さんのキャラクターはアニメーション的な華がある。それに対して僕がこれまで携わってきたのは、どちらかと言えば地味な感じで(笑)。だから、田中さんの魅力的なキャラクターを自分が動かしたら、どんなアニメーションになるんだろう?と興味が湧いたんです。あとは、『君の名は。』の企画を拝見して、単純に面白そうだと感じたことが大きかったですね」とのこと。

こうして二人の凄腕アニメーターが揃ったわけだが、凄いのはそれだけではない。なんと、この二人以外にも黄瀬和哉、沖浦啓之、松本憲生、橋本敬史、稲村武志、田中敦子、賀川愛、中村悟、濱洲英喜、錦織敦史、谷口淳一郎、井上鋭、廣田俊輔など、日本を代表するスーパーアニメーターが続々と集結!そのおかげで作画のクオリティが信じられないほどアップしているのだ。

例えば、沖浦啓之などは『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や『イノセンス』の作画監督として圧倒的な画力を見せつけ、「業界で最も巧いアニメーター」と称されるほどの逸材なのだが、『君の名は。』ではクライマックスの「三葉が走って転んでしまうシーン」を担当している。

特に目立つシチエーションではないものの、この場面を観た新海監督が、「絵コンテ通りなのに、想定よりも何倍もエモーショナルなシーンになっていて、ちょっと単純にビビりました(笑)」と驚くぐらい、ドラマチックで印象的な映像に仕上がっているのだ。

他にも、黄瀬和哉は『機動警察パトレイバーThe Movie』や『エヴァンゲリオン新劇場版:序』などの作画監督を務め、松本憲生は『NARUTO』や『鉄腕バーディ』などで流れるようなアクションを披露し、橋本敬史は炎や煙などを得意とするエフェクト作監、田中敦子は『ルパン三世 カリオストロの城』で「ルパンが屋根を駆け下りて大ジャンプするシーン」を描いたベテラン原画マンだ。

このようなトップアニメーターばかりが参加したことで、『君の名は。』は今までの新海作品とは比べ物にならないほどの高いレベルへ到達できたのだと思う。なぜなら、過去の新海作品は作画が弱かったからだ。もともと新海監督は、『ほしのこえ』の頃まで作画も自分で担当していたが、アニメーターではないので絵は上手くない。

しかし、それでもアニメを作りたいと考えた新海誠は、「作画に頼らない演出方法」を編み出した。それが、作画以外のものをフル活用して作った『ほしのこえ』であり、「圧倒的に綺麗な背景描写」などの技法を駆使することで作画の弱さをカバーし、同時に以降の新海作品の方向性を決定付ける特徴にもなったわけだ。このため、背景に比べると作画に関してはあまりこだわりを見せず、基本的にはアニメーターや作画監督にまかせっぱなしのスタンスだったらしい。

だが、アニメーションにおけるアニメーターとは、実写映画における役者みたいなもので、役者の演技力でシーンの優劣が決まってしまうのと同じように、アニメーターの技量によって作画のレベルは大きく左右されてしまう(特にアニメマニアの間では「新海作品は作画がイマイチ」と思われていたらしい)。

ところが、今回優秀なアニメーターが大量に参加したことで、こうした弱点がほぼ解消された。それぞれのキャラクターが実に生き生きと、魅力的に画面内を動き回っているのだ。もちろん、シナリオが良く出来ていることもあるのだろうが、やはりトップアニメーターが描いた丁寧な芝居が効果を発揮していることは疑う余地がない。

そして今回、観客の感情をさらに揺さぶっているのがRADWIMPSの主題歌だ。もともと新海作品の特徴として、音楽を効果的に使うことが知られていたが、それは新海監督がゲーム会社で働いていたことと関係があるらしい。以下、音楽について語ったインタビューより↓

僕はゲーム会社の出身で、映像を作り始めたのもゲームのオープニング映像を作るためでした。なので、どちらかというとPV監督の立ち位置に近かったのかなと思うんです。つまり、始まりが音楽演出だったし、そこが自分の主戦場というか、得意分野であるという自覚は昔からあったんですね。ですから、よく「演出がPV的だ」と揶揄されることもあるんですが(笑)、それは意図的なものであって、そこにしか生じない快感も絶対にあるはずなんです。『秒速5センチメートル』のときも耳馴染みのある曲を使わせてもらえば、勝算が立つと思いましたし、音楽がかかる瞬間は作品の中でも見せ場だと、毎回大事にしています。 「キネマ旬報2016年夏の増刊号」より



この言葉通り、『君の名は。』ではRADWIMPSの主題歌が4曲もかかるという、通常の映画の楽曲とは少々異なる過剰な使い方になっていて、確かに「PV的だ」と言えなくもない。しかし、今回はシナリオに合わせて音楽を作ったり、音楽に合わせて絵コンテを描き直すなど、映像と音楽のマッチングを1年以上もかけて調整したという。だからこそ、ドラマと楽曲の相乗効果で観客のテンションが大いに盛り上がったのだろう。

なお、下北沢トリウッドの大槻貴宏氏は『君の名は。』を観て、「『前前前世』が流れてからのシークエンスは、RADWIMPSの軽快な音楽と、特徴である“実写より美しい風景画”を見せるシーンと、物語を見せていくシーンとのミックスがすごくうまくいっていたと思います。だから多くの方に響いたのでしょう」と分析している。

さらに今回、細田守監督『バケモノの子』など数々の大ヒット映画を手掛けたことで知られる敏腕プロデューサーの川村元気氏が制作に関わり、脚本の段階からかなり綿密な打ち合わせを重ねていたらしい。『君の名は。』のストーリーも当初は「無事に過去を変えることが出来て、それぞれのキャラクターが平穏な日常へ戻っていく」という場面で終わっていたとのこと。

しかし、その脚本を読んだ川村プロデューサーが、「この物語は本当にここで終わっていいのか?」と何度も問いかけてきたそうだ。一見すると作家に自分の考えを押し付けているようにも見えるが、川村氏は「”ああしろこうしろ”と指示するのではなく、あくまでも作家の本音を引き出すのがポイント。新海監督がやりたいことを最も効果的な形で実現する、それがプロデューサーとしての僕の仕事だと思ってますから」とコメントしている。

こうした川村プロデューサーの意見に対し、新海監督は「ラストの展開は僕としてはもっと現実的な結末に収めるつもりでいたんです。でも川村さんたちの意見を聞いているうちに、”もう少し先があるのかも…”というのがぼんやり見えてきて、一生懸命答えを探すうちにあのラストが見つかった。”ああ、やっぱり先があったんだ”と。そうやって辿り着いたのが、今回の物語なんです」と最初の構想から大きく変化したことを認めている。

アニメを作り始めてから16年、かなりの紆余曲折もあったようだが、こうした試行錯誤の連続でどんどん観客の数を増やしていき、ついに最新作の『君の名は。』で100億円を突破したのだから、やはり「凄い!」としかいいようがない。

もしかしたら、常に観客の反応を意識し、自分の作品に毎回改良を加えてきた新海監督にとって、今回の大ヒットはある種の必然だったのかもしれないし、「一人でも多くのお客さんに楽しんでもらいたい」という気持ちが人一倍強かったのかもしれない。

いずれにしても、『君の名は。』はインディペンデントの個人制作アニメからメジャーに至る過渡期の作品として、今後も新海誠のフィルモグラフィーの中で特別な意味を持ち続けることは間違いないだろう。



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