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【実録】『風の谷のナウシカ』はこうして生まれた!その6

2012.12.23 18:55|風の谷のナウシカ
ナウシカ

1983年8月1日から『風の谷のナウシカ』の作画作業はスタートしましたが、その時点ではまだ絵コンテが完成していなかったため、「絵コンテを描きながら映画を作る」という前代未聞の制作体制となってしまいました。絵コンテというものは(実写映画の場合はそれほど重要ではありませんが)、アニメーションにおいては「設計図」のような役割を果たす極めて重要な要素であり、本来これが無いと作業はできません。建築に例えると「設計図を書きながら家を建てる」に等しいムチャな行為で、世界広しといえどもこんな芸当ができるのは宮崎監督ぐらいでしょう。

しかし、そんなやり方では当然制作にも支障が出ます。案の定、日を追う毎にスケジュールは着実に遅れていき、さすがの宮崎監督も焦り出しました。幸い拠点となったトップクラフトには機材と部署は揃っていましたが、いかんせん人材が全然足りません。そこで鈴木敏夫氏は月刊アニメージュに「アニメーター急募!」の広告を掲載。一方、宮崎監督は率先して早朝出勤・深夜残業を連日こなし、スタッフにも作品の質的向上に全てを捧げ尽くす労働を要求しました。それでもスケジュールはどんどん遅れていき、12月に入ってからは全スタッフが休日返上。12月31日も深夜まで作業は続き、休日はわずかに元旦のみ。宮崎監督も自ら原画・レイアウトを大量に描きまくり、不眠不休で働きました。

しかし、そんな宮崎監督の頑張りもとうとう限界に達し、「このままじゃあ、公開日までに間に合わないッ!」と高畑・鈴木両氏に訴えたのです。進行に責任を持つのはプロデューサーであり、宮崎監督としては当然、高畑氏が何らかの打開策を提案してくれるものと思っていたのでしょう。ところが、高畑プロデューサーの口からは想像を絶する衝撃の発言が!

「間に合わないものは仕方がない」

これには、宮崎監督はもちろんスタッフ一同びっくり仰天!あまりにも堂々と言い放つその姿に、同席していた鈴木敏夫も茫然自失で声すら出せません。実は、高畑氏には元々こういうところがあり、『火垂るの墓』を作っていた時、スケジュールよりも作品の完成度の方を優先させたため、公開日までに映画が間に合わないというスタジオジブリ創設以来の大事件が勃発(この事件以降、間に合わない時は公開日を延ばすようになったらしい)。すなわち、高畑監督にとっては「期日までに仕上げる」ことよりも「映画の質を落とさない」ことの方が重要だったのです(「自分はプロデューサーに向いてない」ってこういうことだったのかw)。

しかし、宮崎監督は全く逆で、何が何でも締め切りに間に合わせようと考えるタイプでした(間に合わないと判断したら、強引にコンテを変えてでも「実行可能な範囲に落とし込む」ことを選択するらしい)。高畑氏の発言でしばらく気まずい沈黙が続いた後、「プロデューサーがこう言っているんだから、これ以上は何を言ってもしようがない」と腹をくくった宮崎監督。この後、必死で徹夜作業を続け、作画が面倒な場面はカットしまくり、更には中割りの枚数を減らしたりモブシーンを”止め絵”にするなどの徹底した省エネ制作を続けたのです。

後半、ユパがトルメキア兵と闘うシーンも、本来はもっと複雑なアクションを予定していたようですが、「時間が無い!」の一言でばっさりカット。ユパに斬りかかった兵士たちを仕留める瞬間は黒バックに閃光のみというシンプルな描写に変更され、肝心な場面は一切描かれないまま。後日、このシーンを見た庵野秀明から「ここだけいきなり石川五ヱ門みたいになってる(笑)」とバカにされてしまう有様に、トホホ。しかし、このような涙ぐましい努力の結果、奇跡的にスケジュールの遅れを取り戻すことができたのです。

さて、こうして2月中頃にようやく作画作業が終了したものの、まだ大量の彩色が残っていました。そこで彩色の担当者だけでなく、原画・動画スタッフ総動員で突貫作業に突入!24時間フル稼働でひたすら色を塗りまくりましたが、まだまだ全然間に合いません。「誰か手の空いている人間はいないか!」と知り合いの外注スタッフに片っ端から声を掛けまくる鈴木敏夫。仕上げの女性は3日も家に帰れず、着の身着のままで作業に没頭。挙句の果てには、高畑監督の奥さん(以前アニメスタジオで働いていたらしい)や、全然関係無いアニメージュの編集部員まで駆り出されるという凄まじい有様に!こうした驚異的な追い上げのおかげで、ようやく映画は完成。3月11日の公開日にギリギリで間に合ったのです。

公開後、『風の谷のナウシカ』は大ヒットを記録し、多くのファンから絶賛されました。しかし、宮崎監督自身はその完成度に納得していなかったらしく、”65点”という辛口の自己採点を下しています。その理由として、「映画の製作手順を全てぶっ飛ばして作りましたが、それでもテーマを掴み切れていない。あと半年時間をもらっても68点までしかいかなかったでしょう」と説明(なかなか自分に厳しいですな~)。

ところが、そんな宮崎監督よりも更に厳しい採点を下したのが高畑プロデューサーでした。「宮崎さんはただの演出家ではなく作家なのだから、もっと新しい地平に進んで欲しかった。”未来から現代を照らし返す”という部分においても期待はずれで残念」と述べ、”30点”という非常に低い点数をつけたのです。しかもその点数を『ナウシカ』の関連書籍にインタビューとして掲載してしまったものだから、宮崎監督大激怒!「こんなくだらない本を作ってどういうつもりだッ!」と鈴木敏夫の目の前でその本を引き裂くという大変な事態に!それを見た鈴木氏は「いったいどこからそんな力が出るんだろう?」と呆気に取られるしかありませんでしたが、この時の悔しい思いが、10年後の『もののけ姫』で決着することになるのです。そのお話はまた次回の機会に。

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